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  • 2010.12.28 Tuesday
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ソロモンの指輪;翻訳者の日高先生が亡くなられてました

 動物の仕草(行動、反応)というものは,愛らしい物です。
肉食動物が眼を爛々として獲物を食い千切っていてもMには一心不乱で没頭している純粋さが可愛い。ところが,その荒れ狂っていた獣が,満腹になると目の前を獲物が歩いても立ち上がりもしない様子なぞ痺れるような自然の摂理を感じます。毎度御馴染みでしょうがMはアミニズム信者です。

かいじゅうとねんね
 勘違いじゃないもん、怪獣じゃないもん、この子はあたしの子なの,はいネンネしなさい

 京都の日高敏隆先生がお亡くなりになられました。「動物行動学」という学問を日本に紹介した京大の先生です。
 ご自身も動物行動学の研究をされておられたのですが、Mにとっては,コンラート・ローレンツの『ソロモンの指輪』の翻訳者である方です。
ソロモンの指輪
Konrad Zacharias Lorenz、 実物は実家にあるので何時の購入か定かではありませんが、中学生頃だったように思います。
 その頃の僕にとって日高敏隆氏は,「人犬にあう」を翻訳した小原秀雄氏とともに,動物関係の書籍をあさるときの大目印でした。
 ((その頃は、なんだか動物(学)物が流行っていて,「猛獣もし戦わば」というシリーズで,顎の骨格標本から咬む力を算出してライオンより虎のほうが強い…カバは案外凶暴…シロクマは最強…などなど,自然では決して出会わない2種の動物がケンカしたらどっちが勝つかという機能解剖学をこじつけた能天気な本もありましたが。))

真面目な話に戻って,
 ソロモン王の指輪をつけていると,動物達の話す言葉が理解出来る,という言い伝えが,この本のタイトルに繋がります。中身は、どのようなきっかけで動物の行動が現れてくるかという事例を例示するなどして「動物行動学」というものを分かり易く解説しています.

 
義理の子供達ある種の鳥は、卵から孵って、最初に見た物を自分の親と認識する、という部分が一番有名でしょうか。
 ローレンツ先生はそれを実際にやってみせる訳です。
右の写真がその一つの証拠、TVなどでもよく紹介されていた,義理の子供達(鴨かアヒルか忘れました)を連れて散歩するローレンツ先生です[ ☞ ]。
観察に基づく実証の学問だ,と言う点で、学校のお勉強に飽き飽きしていたMにとっては新鮮で感銘した覚えがあります.
 写真のローレンツ先生の長靴姿から想像して、この先生は卵が孵る瞬間に立ち会う為に、鳥小屋で少なからぬ時間を過ごしている筈,卵を見つめてじっと待っている白髪の博士…という様子を想像して,こりゃ好いぞと喝采しました。学者の農作業着姿が子供心に印象的だったのです。

 学問の事例だけではなく、この本にはローレンツ先生の動物飼育日記みたいな面もあり,思い起こせば、シートンから始まり、ビアンキ,ファーブルなどの「動物記」モノを読みあさった果ての,最終終着点の本でもありました。
 家畜類だけではなく、魚の記述もありました。何の趣旨のパラグラフの記載か忘れましたが、Mはこの本を読んでから35年間程,『今度の週末には近所の水辺に出掛けよう』と毎週のように本気で思っています。そんなに長い間,行こうと思いつく気持ちだけあって,未だに実現していないのも妙な話なんですが、Mの中では『これでいいのだ』と落ち着いています。
 ローレンツ先生の言う「アクアリウム」を自分でも持ちたいのです。それは何かというと、

  小さな水槽の中で完結した生態系を作るという事、です。

  例えば、近所の池に自生している水草を先ず採ってきます。それを水槽に植える。光合成の出来る外気に触れるような環境に置き,根付かせます。しばらくすると植物性,動物性のプランクトンが空気中の塵などに混じってやってきます。ないしは,池の水そのものを汲んで来て初めても好い。程なくプランクトン達が増えて水槽に苔が付き水が濁ってきます。
 そこへ,エビや貝などの小動物を入れます。こいつらはスカベンジャー,ゴミの掃除係です。水槽の苔は最初は奇麗に取り除かれますが、次第にあるバランスで掃除されるようになります。水槽は人間が掃除をしなくてもいつも澄んだ水を湛えるようになります。
 ここからが勝負です。じっくりと積み上げて来た生態系のピラミッドに君臨する王者を迎えるのです。水草を採って来た水辺で魚を捕まえます。地元の魚を水槽に入れる訳ですが、その種類、大きさ、数が致命的な大問題です。酸素分圧や食餌になるプランクトンや水草の分量とのバランスが崩れると、この小宇宙は破滅です。
 ローレンツ先生も記していました、「後一匹のこの可愛い魚を入れたい、入れた、という行動の結果が、奇麗なアクアリウムをドロドロの肉汁の水槽に変えてしまう」
文章はこの通りではありません、Mの頭の中で長年発酵してますから。でも,天を仰いでローレンツ先生が嘆く姿の挿絵(愛すべき挿絵がとても素敵な本でもあります)は覚えています。そういう『環境問題』が,昭和のその昔に既に議論されていた,ということでもあります.

 この本は、積極的アミニズム信奉者のMの心的人格形成に大きな影響がありました。

 今年の春もまた、水草が新芽を出す頃には、「アクアリウム」を作ろう、水辺に出掛けよう,と考える事でしょう。

 日高先生に合掌。
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